【イラスト】5分で学ぶPMS(月経前症候群)・月経困難症の違い
今回は生理の悩みで頻繁に聞く月経前症候群(PMS)と月経困難症の違いにフォーカスをあてて解説していきます。
症状を呈する時期による呼称の変化
生理痛トラブルは生理の”前”で起きるか、それとも生理の”後”で起きるかで、痛みの原因や症状が大きく変わります。 そのなかでも、日常生活に支障が出るほど症状が強いものは以下のような名前がつけられています。
症状を呈するタイミング | 呼称 |
生理前 | 月経前症候群(PMS) |
生理後 | 月経困難症 |
月経前症候群(PMS):むくみ・精神症状が主症状
上の図のように月経前症候群(PMS)の特徴は生理(月経)の3〜10日前に症状が出現し、生理開始とともに症状が減退・消失することです。
主な症状は精神症状(イライラ、抑うつなど)、乳房痛、四肢・顔面のむくみなどが挙げられます。
人によっては眠気、頭痛、肌のトラブル、倦怠感など様々な症状が出現する場合があります。
月経前症候群(PMS)の原因は何なの?
PMSは黄体期に多く分泌されるプロゲステロンのバランスの崩れが原因といわれています。
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【プロゲストロン】 |
女性ホルモンの一種で黄体ホルモンとも呼ばれる。 基礎体温を上昇させ、妊娠の維持、乳腺の形成など妊娠に欠かすことのできないホルモン。 生理(月経)の黄体期において、子宮内膜を受精卵の着床に適した状態にする。 |
プロゲステロンは上記の他にも『乳房発達や体内の水分を引き出す作用』があります。
プロゲステロンはバランスを崩しやすいホルモンなので、バランスが崩れると上記の『乳房発達や体内の水分を引き出す作用』が強く出過ぎてしまいます。
ホルモンバランスの崩れが原因の一種なので、生活習慣や食生活の改善で症状を軽減させられる可能性があると言われています。
月経困難症:下腹部痛が主症状
生理直後に症状を呈する「月経困難症」は生理痛のなかでも日常生活に支障をきたし、治療の対象となるものをいいます。
月経困難症は、大きく2つのタイプに分かれます。 機能性月経困難症は原因となる病気が存在せず、体質や心理的要因が原因で起こるものとされています。 一般に、思春期~20代前半に多いと言われています。 器質性月経困難症は子宮や卵巣に子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫など何らかの病気が隠れているものです。 30歳以降から多くなり、症状は生理初日~3日目ごろを過ぎても続くこともあります。
機能性月経困難症の原因は何なの?
原因疾患が存在しないのに呈する機能性月経困難症の原因は何なのでしょうか?
機能性月経困難症の痛みの原因は子宮の過剰収縮と、それに伴う子宮血流量の減少によると言われています。
この時、『プロスタグランジン』が大きく関わっています。
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【プロスタグランジン】 |
痛みおよび炎症の原因物質として知られるホルモン。 過剰分泌されることで患部の痛覚が脳に伝達され、痛みを感じるとされる。 月経期において子宮を収縮させ、不要になった粘膜を血液とともに体外にスムーズに押し出す働きがある。 |
月経困難症をきたす女性は、プロスタグランジンが過剰に分泌されていることがわかっています。
過剰分泌により血管の攣縮や子宮筋の虚血を引き起こすため、下腹部痛や冷えなどの症状が出ると言われています。
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