妊娠による子宮の変化
こんにちは!
女性のリハビリテーション研究会です。
本日は、「妊娠による子宮の変化」についてお伝えします。
胎児を包む子宮は、
非妊時から妊娠過程を経て、
出産後まで一番大きく変化する臓器です。
子宮は膀胱と直腸の間にあり、
非妊時の大きさは、
全長約7cm、横約4cm、壁の厚さ約2cmの
鶏の卵ぐらいの大きさで、
重さは約50gあります。
これが、胎児の成長とともに妊娠後期までに、
全長約36cm、横約24cm、重さ1000gまで大きくなり、
子宮壁は1cmまで伸張され、
子宮腔内の容積は2mlから4000~5000mlになります。
骨盤腔内にあった子宮は、
妊娠4ヶ月を過ぎる頃から、
腹腔内に上昇していき、個人差はありますが、
見た目もお腹の膨らみが分かるようになっていきます。
大きくなった子宮により隣接する臓器の位置にも変化がでてきます。
膀胱は子宮に圧迫され、
貯めておける容量が減るため、
頻尿の症状がでたり、
腸は圧迫により働きが悪くなり、
便秘になる妊婦さんも多数います。
その他にも、子宮底の上昇により、
胃や横隔膜は押し上げられ、
胃は横に寝たような位置をとり、
肺や心臓も圧迫されます。
胃のむかつきや、少しの運動で息切れするのは、
これらの変化が関係していると考えられます。
妊娠後期になると、産道を形成するため、
子宮頚部は柔らかくなり、
上方から徐々に開き始め、出産の準備をします。
そして、子宮の収縮により胎児を外へと押し出し、
その後、胎盤や羊水などの胎児付属物を娩出します。
出産が終了すると、
大きくなった子宮は急激に縮まろうと、
その後も収縮を続け、
臍下3横指の高さまで一時的に縮まります。
これは、子宮の胎盤剥離面に生じた多数の血管の断端面を圧迫して止血する目的があります。
その後、十数時間で臍の高さまで再び大きくなり、
約6~8週間かけて非妊時の大きさまで戻っていきます。
これを子宮復古と呼びます。
通常は約6~8週かけて子宮は元の状態に戻っていきますが、
胎盤や卵膜などが子宮腔内に残っていたり、
子宮腔内の感染症や羊水過多、
多胎妊娠による子宮筋の過度の伸展などによって、
子宮収縮が進まず、
子宮が元の大きさに戻らない、
出血(悪露)が止まらないなどの症状を子宮復古不全と呼びます。
産後は、産褥期と呼ばれる子宮復古の期間、
過度な労働や体を冷やすことは避け、
感染症などに注意して過ごすことが大切になります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。